カテゴリ:プライベート( 6 )

グッドウィル創業25周年記念セール&新着フェアーにはたくさんの皆様にご来店賜りまして、誠にありがとうございました。
沢山の方々とお会いして楽しいひと時を過ごせました。
心より御礼申し上げます。

充実の17日間を過ごした後、ムガール皇帝とマハラジャの宝石  カタール・アル サーニ・コレクションを見に、琵琶湖の畔に在るMIHO MUSEUMまで行って来ました。
車で日帰り、全行程約24時間の強行スケジュールでしたが、とっても興味深いジュエリー達を見られました。。
1日1000kmのドライブは学生時代以来です。
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桃源郷をイメージして造られたという美術館は、大きな森の中にありました。

ジュエリーといってもキラキラの装飾品というより、職人の手による細工に彩られた工芸品的な作品が主体でした。
大粒のエメラルドの表面に彫刻を施したり聖人像を彫り上げた作品等は今まで余り目を留めた事が有りませんでしたので、私としては新鮮でした。
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ジュエリー以外にも水晶を彫り出した壺や瓶、翡翠で作られたジャグ、カップ、盃といった食器等も目を見張りました。
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展示品を見てとっても大きなダイヤモンドを沢山使って、当時のマハラジャの持つ富は桁違いに大きかったという事は良く分かったのですが、やっぱりアジア、東洋なんだなーという感想でした。私の扱っているヨーロピアンジュエリーとは、その作られた時代が同じでも、テイストは異質に感じました。
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余談ですが、3時間位をかけてゆっくり見学をして出口を抜けた所で、知り合いのアンティークディーラーとばったり会ったのにはびっくりしました。
「ご縁のある人とはこういう事が起るのよね」
と言われ、本当にその通りと思いました。

          参考文献:ムガール皇帝とマハラジャの宝石
                カタール・アル サーニ・コレクション

末永 富士夫
アンティーク ジュエリー GoodWill
青山店 TEL:03-3400-4117

Web → http://goodwill-antiques.jp/
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以前ハナエモリビル地下のアンティークモールで営業されていたKさんより、「営業終了のお知らせ」が届きました。

この業界の大先輩で、特にモザイクやカメオの素晴らしい作品をたくさんお持ちの方です。
新参者の私はそれら品物の事はもちろん、アンティークの考え方、商売の事等、様々な事を教わりました。

最後にもう一度そのアンティークジュエリーを拝見させて頂くのとご挨拶を兼ねて、先月末にお邪魔しました。
ショールームとしてお使いのマンションの1室には、所狭しとモザイク、カメオ、金細工がディスプレイされていました。今となってはロンドンでもなかなかお目にかかれない逸品ばかりです。すごい迫力を感じました。
Kさんがおっしゃるには「これでだいたい5分の1だよ」だそうです。

「こんなに素晴らしいアンティークジュエリーたちの事を、より多くの方々に知ってもらいたくてやってきた」
とのお言葉がとても印象深かったです。

本当にありがとうございました。

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そのコレクションの中から私にも使える一品を選ばせて頂きました。
ユニコーンの絵が彫られたインタリオリングです。表面の白と内側の黒の2色で色分けがされているので、ユニコーンがはっきりと浮き出たように見えます。
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角はもちろん、目、口、たてがみやしっぽまでクッキリと彫りこまれています。
しかしながら、ぷっくりと膨らんだほっぺたの表情から見て感じ取れるのは、ひょうきんで優しそうな性格で、
「ユニコーンは極めて獰猛で、力強く、勇敢で」という見解とは相反しています。
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きっと両面を持っているのですね。

フランスの文学者、啓蒙思想家のヴォルテール(1694 – 1778)は『バビロンの王女』(La Princesse de Babylone, 1768年)第3章の中で、ユニコーンを「この世で最も美しい、最も誇り高い、最も恐ろしい、最も優しい動物」(C'est le plus bel animal, le plus fier, le plus terrible et le plus doux qui orne la terre)として描いている。(ウィキペディアより)

居場所が変わりましたが、お付き合いの程、よろしくお願いいたします。

アンティーク ジュエリー GoodWill
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又また29歳でアンティークショップの店長だった時に、初めてロンドンへ買い付けに行った時のお話です。

それまでアンティークジュエリーを買った経験は全く有りませんでした。
初めてのロンドン買い付けで、自分が何時も身に着けていられるアンティークのインタリオリングを絶対に買う決心を、ロンドンへ行く前からしていました。

最初に訪れたバーモンジ―マーケットのショップで気になるリングを見つけて試着をしました。他にも数点のインタリオリングを見ましたが、もちろん直ぐには決められません。
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翌日のポートベローロードマーケットでも目を留めたリングを見せてもらうと「あれっ?このリングは昨日見たのと同じだ。同じものが幾つも有るはず無いのに何故だろう?」と不思議に思いました。

私はマーケットでジュエリーを見る時には、ケースの中の品物しか見ていません。実際に買う決心をした時に初めて、そのブースのディーラーと顔を見合わせて話します。そこに有るリングがどのディーラーの商品なのかという認識が全く有りませんでした。
つまり昨日バーモンジ―で見たリングを持っていたディーラーが、今日はここポートベローロードに来てブースを持って営業していたのです。だから同じリングがここに有った訳です。謎が解き明かされました。
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昨日も今日も同じリングに目を留めて見せて貰ったというこの事実は、自分が本当にこのリングを好きに違いない、という事に気付きました。
それで改めてインタリオのモチーフやシャンクの模様、指に着けた時の雰囲気、ダメージが無いか等細かい所まで何度もチェックしました。
本当はクレストの輪郭を持ったインタリオリングを第一候補としていたのに、オーバルなのがちょっと不本意ですが、でもホールマークが綺麗に彫られています。錨とアルファベットのNがはっきりと判読でき、1862年にバーミンガムにあるメーカーで作られた指輪という事が判ります。625は15ct.ゴールドの表記。その隣のEと半欠けのVはメーカーマークです。
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(このメーカーマーク、実は最初綺麗に入っていたのですが、日本でサイズ直しをした際にこうなってしまいました。ごめんなさい。
シャンク外側、横の片側に亀裂が入っているのが、元々だったのか、サイズ直しの時に成ったのかは不明です。)
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こんな良いも悪いも色々な要素を検討して考えた結果、不思議なご縁も感じるし、これにしよう!と決心しました。
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これが私とグッドウィルリングとの出会いでした。

GOOD WILL TOWARD MEN の意味はその時点では良く理解していませんでした。
その後ホームページを作る際にパソコンで調べてみたところ、聖書の中の一文であることがわかりました。

Glory to God in the highest, on earth peace, good will toward men.

「いと高き所では栄光が神に, 地上では平和が,善意の向かう人々に」。
電網聖書『ルカによる福音書 2:14』

とても安らげる文言で本当に良かったです。
この指輪の初代オーナーは、おそらくキリスト教と深い関わりを持っていたのですね。
私で何代目になるのでしょうか。

このインタリオリングとのお付き合いは今年でもう26年目に突入しますが、何時見ても可愛らしく微笑んでくれます。きっとこれから先もずっと永遠に。
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今年最初のひとりごとは、初詣.

先ずは以前アンティークジュエリーショップで店長として仕事をしていた時のお話です。

店の売り上げが芳しくなかったある夏の日、たまたま友人に誘われて初めて鎌倉の銭洗弁財天宇賀福神社へ行きました。
その時の願い事は勿論、何とか店の売り上げが上がりますように!です。

その数日後、店でいつも通りの営業をしていました。
すると、とても上品な奥様が店に入って来られました。その瞬間の光景が今でもはっきりと脳裏に焼き付いているのですが、不思議な事に後光が差したかのようにその姿が光輝いて見えたのです。
一緒にいらっしゃったご主人様もアンティークがお好きで、良くお二人でアンティークショップを見て廻られるとの事でした。
そして色々なお話をして店のジュエリーをじっくりとご覧になった後、その中で一番お気に入りになったヴィクトリアンのダイヤモンドブローチをお決め下さいました。
こちらのご夫妻にはその後も頻繁にご来店賜りました。

こんな事が起こりましたので、その翌年の初詣から銭洗弁財天宇賀福神社へ行く、という事が習わしとなり、それが今だに続いています。

2009年10月にグッドウィル青山店を開店いたしました。
こちらのすぐ傍には明治神宮が有り、その表参道に程近い場所で営業しています。そうで有るならば、明治神宮に参拝しない訳にはいかないだろうと思い立ち、 2010年の初詣から元旦にお参りをするようになり、今年で4回目となりました。

初詣に幾つもの神社に行くのが何だか掛け持ちの様で憚られるのですが、良いことがたくさん起こると信じてこれからも続けて行こうと思います。

グッドウィル
末永 富士夫
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私がまだ成城学園に有ったアンティークショップで店長として勤務していた24~5年前に、買い付けの為ロンドンに出張した時のお話です。

Kings road にAntiquarius ,というアンティークモールが有りました。(残念な事に数年前クローズして、現代の洋服や雑貨のショップとなってしましました。)
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そこを訪れてジュエリーの買い付けがひと段落した後、クロックが並んでいる店に立ち寄りました。
色々な顔のクロックが並んでいる中のHENRY CAPTというブランドのスイス製の時計に目が止まり、見せてもらいました。1880年頃の置き時計です。
ポーセレンダイアルなので、文字盤のはっきりとした白色が綺麗です。
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ポーセレンダイアルは何らかのクラックやヒビの走った物が多いのですが、私としましてはそれだけはどうしても受け入れられません。

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でも真鍮のケースはかなり変色していますし、長年使用された事による多少のキズや凹み等は、あばたもえくぼで大目に見られるのですけれど。

ケースはスケルトンになっていますので、カチカチと時を刻む仕事をしているのがいつでも見られます。
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このクロックは1時には1回、2時には2回と毎時後ろ側に付いている小さなベルをハンマーが叩いて、ベルの音で時を知らせます。
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時報を知らせる音の種類にはもう1種類ゴングが有ります。別のクロックでゴングの音と聞き比べてみたのですが、聞けば聞くほどベルの「チ~ン」という澄んだ音色に魅かれていきます。

フレーム中央の上部、文字盤の12の上の位置に小さなボタンがチョコンとついています。そのボタンを押すと、時刻に合わせて7時台には7回、8時台には8回ベルが鳴ります。夜寝る時に枕元に置いておいて、夜中に目が覚めて「今何時?」という時に手探りでそのボタンを押すと、その時刻の回数だけベルが鳴り今何時台かが判るのです。
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今では電燈のスイッチを入れればすぐに電気が点いて時計が見られますが、ロウソクの灯りで暮らしていた時代にはそうはいかず、これがとても重宝したに違いありません。
「枕時計」と呼ばれた所以です。

見て触っているうちに段々愛着も湧いてきてしまい、結局頂く事になってしまいました。商品としてでは無く私のコレクションとして。
私が生まれ育った環境には時計が溢れていてそれを見て育った訳なので、どうしても時計に興味が湧いてしまいます。それも日本では見たことの無い、目でも耳でも手に取ってでも楽しめる、こんな素敵な時計を目の当たりにしてしまっては仕方が有りませんでした。

今も青山店で時を刻んで「チ~ン」と時刻を教えてくれています。1週間に1度ゼンマイを巻いて時刻を合わせますが、2~3分程度の誤差です。
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この上に突き出たピンを左右に動かす事により、時間の進み具合を調整できます。
真ん中の赤い石はルビーで、歯車の心棒を受けています。

真鍮やシルバーは磨いてやると顕著に表情が変わって見違えます。
買ってから一度も磨いてやったことが無かったのでかなりくすんでいて、でもそれはそれで落ち着いた良い感じになっています。
お世話になったお礼で20数年ぶりにケースを磨いてやりましょう。

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するとこんなにピカピカになりました。
今までありがとう。

あと100年は頑張ってもらいたいものです。
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私は時計屋の息子として生まれました。
そのお陰で、物心が付くずっと以前から時計やジュエリーに囲まれて育ちました。
1階が店舗で、その2階に10畳一間と台所にお手洗い、という小さな長屋住まいでした。風呂は無いので、当然銭湯です。
まさに映画『ALWAYS  三丁目の夕日』 の世界その物で、東京タワーと同い年です。

外への出入りは、必ず店を通らなくてはなりません。それもすごく小さな店で、前半分は店舗ですが奥半分で時計の修理やメガネの加工を朝から晩までずっと作業をしている職人の間をすり抜けなくてはなりません。

子供の頃、職人さんが腕時計をばらしたり組み立てたりという作業をしているのを、しょっちゅう横から覗いて見ていました。
そのうちに自分でもやって見たくなったので、お願いをしていらない腕時計を1つ分けてもらってバラバラに分解した事が有ります。
そこまでは簡単に出来たのですが、組み立ては全然上手く行きませんでした。見た目では元通りにしたつもりが、部品が4つ余ってしまったのです。
「あー、どうしよう?」と思った次の瞬間、鼻から鼻水がツーっと垂れて来るのを感じたので無意識にそれを指で拭って見ると、何とそれは血でした。生まれて初めての鼻血だったのです。
たった1回のそんな経験だけですが、私は職人には向いていないんだという事が良く判り(思い込み?)、その世界に入る迄もなく逃避してしました。

大人になって大学4年で進路を決める時に、物を作る仕事の選択肢は有りませんでした。父の背中を見て育ったので、なるべくして成ったという事なのでしょうが、自分も商売の道に進もうと決心しました。

その結果、只今アンティークディーラー25年、商売の道を32年前進中です。
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