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世界を旅したダイヤモンドリング

昨年暮れのお話です。

グッドウィル ホームページを見て下さった方から、ご紹介中のダイヤモンドリングに付いてのお問い合わせメールが届きました。
それは最近では余り珍しい出来事ではないのですが開けてビックリ、何と英文ではないですか。
東南アジアにお住まいの男性がプレゼントとしてお考え中との事です。
早速そのリングを取り出して仔細をチェックし、改めて観察して見ました。
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このリングは、私がパリに行くと必ず訪れて、毎回数点はお気に入りが見つかるという店で出会った品です。
パヴェセッティングされたオールドマインカットのダイヤモンドがキラキラっと、とても強い輝きを放ちます。
シャンクにはアザミの花のような彫りが施されていて、指に着けると上品な美しさを醸し出します。
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シャンクの内側にはイギリスのホールマークが打たれています。
イギリスのジュエラーがこのリングを作った時に金証を確認した証です。
そしてシャンクの外側にはフランスで金証を調べたマークが打たれています。このリングがフランスに渡って来た時にこれを扱ったディーラーが調べた、という訳です。

ここでちょっとホールマーク(貴金属の品位証明)のお話です。
ホールマークは国によってルールが異なります。
イギリスのそれは貴金属の品位(含有量)、それに品物を検査した検定所の場所と年号、等を印ます。
これに印された「18」は18金。ヒョウの顔はロンドンの検定所のマーク。右側のアルファベット「u」は検査をした年で、1915年が判ります。(ホールマークの写真はこのリングの物ではないので実際とは異なります)
イギリスではこれらの印を指輪の場合はシャンクの内側に打ちます。
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フランスでは貴金属の品位だけがシャンクの外側に打たれます。    (これも別のリングの写真です。ふくろうの腹の「75」は18金)
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それぞれの国にそれぞれの拘りが有り、それをどちらも頑なに譲らない所が面白いです。

それでは本題に戻りましょう。

事の経緯の詳細は定かではありませんけれど、イギリスで作られたこのダイヤモンドリングをどなたかがフランスに持って行き、それが巡り巡ってパリのアンティークショップに並んでいるのを私が見初めて買い付けをし日本に輸入、グッドウィルの元に参りました。 そしてそれを今度は東南アジアにいらっしゃる方がインターネットのグッドウィルのホームページでお目に留めて下さり、実物をご覧になっていないにも関わらずお決め下さりました。こうして日本から旅立って行ったのです。

この100年余りの歳月の間にこんなドラマがこのリングに起ったのです。
このリングを作った職人さんはもちろんこのリングがこんな運命を辿る事になるなんて、夢にも思っていなかったに違いありません。

グッドウィルと致しましては初めて海外の方へそれも通信販売でリングをお納め出来、こんな素敵なドラマの一翼を担わせて頂けた事に感謝致します。
このリングをプレゼントされた方がこれから先末永くご愛用されて、お楽しみ頂けます事を祈るばかりです。

アンティークジュエリーにはこんな素敵な役回りを演じるタレントがいるのですね。












アンティーク ジュエリー GoodWill
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by goodwill-owner | 2014-01-17 11:00 | ジュエリー紹介