もう10年以上前の話ですが、赤坂店時代に無性にエンジェルにはまった時が有りました。
元々エンジェルは好きでしたし、生まれて初めて自分に買った絵画もエンジェルモチーフでした。
この絵とはまだ独立する前のロンドンへ買付けに行った際に、チャーチストリートにあるアンティークショップで出会いました。
たくさんのエンジェルたちが皆楽しそうにしている光景に癒されるからなのかな? というのが後になってから考えた自己分析でした。
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赤坂時代の話に戻りますと、当時はロンドン、パリでマーケットを歩いていてエンジェルが目に付くと、ついつい見せてもらっていました。
買い付けるジュエリーの中に頻繁に登場するのはもちろんですが、それより絵や雑貨もつい買ってしまい、赤坂店の壁に掛かっている全ての絵がエンジェルだったという一幕も有りました。
更に小さなエンジェルの陶器や小物をディスプレイに使ったりで、店中に氾濫していました。

松屋銀座店1階でアンティークの催事をした時にジュエリーよりもそれらの方がしょっちゅう売れたので、一緒に出店していた仲間に「商売替えした方が良いんじゃないの?」と皮肉られたりしたほどです。
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普通エンジェルの絵はおっとりとした感じを受けるのですがこれは背景が黒なのでしまって見え、ちょっと違った印象です。でも花を摘まんだ仕草と笑顔は優しく映っています。

絵はポーセレンに描かれています。ポーセレンブローチは裏側をマザーパールで蓋がされているのが常です。
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フレームはフランス製なので軽やかで、断続的に模様が彫られています。
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場面はそこそこの大きさが有るのですがシャープですっきりした印象で、イギリス製との違いを感じさせます。

K-10
18ct.ポーセレンブローチ
フランス 19世紀後期
Sold
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ネズミと言うと、収穫した穀物を盗んで食べる悪い動物でちょっと気味が悪いというイメージなのですが、ミッキーマウスやハム太郎は可愛いキャラクターで、皆に可愛がられています。
巷でそのキャラクターとしては良く見かけるのですが、それ以外では余り歓迎されてはいないように思われます。
アンティークのマーケットを歩いていると、たまにではありますがお目にかかることがあります。
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これは獲物を狙っているのか、ちょっと一休みをしているところなのか、うつ伏せてじっと何かをみつめています。無色のペーストを全身にまとい、右目は濃い紫色、左目は薄い紫色をしています。
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シルバーの顔はひょうきんで、手足、しっぽには、しっかりと線が刻まれていて、しっぽの先はくるっと丸まっています。
お腹はペコペコを通り越してまっ平らです。
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帽子やジャケットのラペルに留めて一緒にお散歩へ連れて行っても良し、デスクの隅に置いておいてたまにちら見で癒されるのも良しかと思います。

No.9080
Sv.ペーストブローチ
イギリス 20世紀初期
¥73.500
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J.W.Bensonは1840年頃に創業した、腕時計だけでなく懐中時計でも人気の高いイギリスの時計メーカーです。
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文字盤のローマ数字に沿った2本の輪が個性的です。私の好きなスモールセコンドと合わせた大小の輪が3つ並んでいる表情が素敵です。
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以前あるお客様に、「おたくの時計は皆同じ顔をしているね」と言われたことがあります。私の好みはシンプルなスタイルとスモールセコンドなので、確かに青山店に有るほとんどの時計がその要件を満たしています。それで同じような顔の時計ばかりが並んでいるように見えてしまったのですね。
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裏蓋を空けて中を覗いて見ると、ムーブメントに下記の文字が刻印されています。
J.W.Benson London  MADE IN ENGLAND  16JEWELS
小さな赤いパーツが見えますが、これは歯車を受けている合成ルビーで、最後の表記はその数が16個と云う意味です。
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裏蓋の内側には、錨 アルファベットのI 9 375 のホールマークが見えます。
1958年にバーミンガムに有る検査機関で金証を調べた結果9金であったという証です。
実は私と同い年なのです。それもあって即決でした。
マジックで書かれた 22.10.09 は、この機械をオーバーホールした日にちとそれをした職人さんのサインです。
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ジュエリーには時々イニシャルが彫られている事がありますが、未だかつて私のイニシャル F.S に出会ったことは有りません。生まれた年が同じだっただけで(もちろん気に入ったからですが、)この有様ですから、いつかそれと出会ってしまった暁には要注意!としっかり肝に念じておきましょう。
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又また29歳でアンティークショップの店長だった時に、初めてロンドンへ買い付けに行った時のお話です。

それまでアンティークジュエリーを買った経験は全く有りませんでした。
初めてのロンドン買い付けで、自分が何時も身に着けていられるアンティークのインタリオリングを絶対に買う決心を、ロンドンへ行く前からしていました。

最初に訪れたバーモンジ―マーケットのショップで気になるリングを見つけて試着をしました。他にも数点のインタリオリングを見ましたが、もちろん直ぐには決められません。
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翌日のポートベローロードマーケットでも目を留めたリングを見せてもらうと「あれっ?このリングは昨日見たのと同じだ。同じものが幾つも有るはず無いのに何故だろう?」と不思議に思いました。

私はマーケットでジュエリーを見る時には、ケースの中の品物しか見ていません。実際に買う決心をした時に初めて、そのブースのディーラーと顔を見合わせて話します。そこに有るリングがどのディーラーの商品なのかという認識が全く有りませんでした。
つまり昨日バーモンジ―で見たリングを持っていたディーラーが、今日はここポートベローロードに来てブースを持って営業していたのです。だから同じリングがここに有った訳です。謎が解き明かされました。
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昨日も今日も同じリングに目を留めて見せて貰ったというこの事実は、自分が本当にこのリングを好きに違いない、という事に気付きました。
それで改めてインタリオのモチーフやシャンクの模様、指に着けた時の雰囲気、ダメージが無いか等細かい所まで何度もチェックしました。
本当はクレストの輪郭を持ったインタリオリングを第一候補としていたのに、オーバルなのがちょっと不本意ですが、でもホールマークが綺麗に彫られています。錨とアルファベットのNがはっきりと判読でき、1862年にバーミンガムにあるメーカーで作られた指輪という事が判ります。625は15ct.ゴールドの表記。その隣のEと半欠けのVはメーカーマークです。
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(このメーカーマーク、実は最初綺麗に入っていたのですが、日本でサイズ直しをした際にこうなってしまいました。ごめんなさい。
シャンク外側、横の片側に亀裂が入っているのが、元々だったのか、サイズ直しの時に成ったのかは不明です。)
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こんな良いも悪いも色々な要素を検討して考えた結果、不思議なご縁も感じるし、これにしよう!と決心しました。
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これが私とグッドウィルリングとの出会いでした。

GOOD WILL TOWARD MEN の意味はその時点では良く理解していませんでした。
その後ホームページを作る際にパソコンで調べてみたところ、聖書の中の一文であることがわかりました。

Glory to God in the highest, on earth peace, good will toward men.

「いと高き所では栄光が神に, 地上では平和が,善意の向かう人々に」。
電網聖書『ルカによる福音書 2:14』

とても安らげる文言で本当に良かったです。
この指輪の初代オーナーは、おそらくキリスト教と深い関わりを持っていたのですね。
私で何代目になるのでしょうか。

このインタリオリングとのお付き合いは今年でもう26年目に突入しますが、何時見ても可愛らしく微笑んでくれます。きっとこれから先もずっと永遠に。
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今年最初のひとりごとは、初詣.

先ずは以前アンティークジュエリーショップで店長として仕事をしていた時のお話です。

店の売り上げが芳しくなかったある夏の日、たまたま友人に誘われて初めて鎌倉の銭洗弁財天宇賀福神社へ行きました。
その時の願い事は勿論、何とか店の売り上げが上がりますように!です。

その数日後、店でいつも通りの営業をしていました。
すると、とても上品な奥様が店に入って来られました。その瞬間の光景が今でもはっきりと脳裏に焼き付いているのですが、不思議な事に後光が差したかのようにその姿が光輝いて見えたのです。
一緒にいらっしゃったご主人様もアンティークがお好きで、良くお二人でアンティークショップを見て廻られるとの事でした。
そして色々なお話をして店のジュエリーをじっくりとご覧になった後、その中で一番お気に入りになったヴィクトリアンのダイヤモンドブローチをお決め下さいました。
こちらのご夫妻にはその後も頻繁にご来店賜りました。

こんな事が起こりましたので、その翌年の初詣から銭洗弁財天宇賀福神社へ行く、という事が習わしとなり、それが今だに続いています。

2009年10月にグッドウィル青山店を開店いたしました。
こちらのすぐ傍には明治神宮が有り、その表参道に程近い場所で営業しています。そうで有るならば、明治神宮に参拝しない訳にはいかないだろうと思い立ち、 2010年の初詣から元旦にお参りをするようになり、今年で4回目となりました。

初詣に幾つもの神社に行くのが何だか掛け持ちの様で憚られるのですが、良いことがたくさん起こると信じてこれからも続けて行こうと思います。

グッドウィル
末永 富士夫
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